マンション管理組合保険の選び方

マンション

「特約にはそれなりの理由がある」

特約にはそれをつける理由があるため、保険料が安くなるからといって、安易に特約をはずしてはいけません。

例えば「臨時費用」

これは、マンション共用部分に損害が生じた場合、損害保険金の30%~10%相当額が支払われます。火災でコンクリートの劣化が心配される場合、コンクリートの強度を調査するための費用が膨大にかかるため、臨時費用が非常に有効です。

マンションで火災があったとき、その戸室の室温が1000度以上になると言われています。その場合、コンクリートの強度が心配されます。

マンションを皆で長く使うためには、コンクリートの強度に異常があると、住人全員が不安な生活をしなければなりません。そこで、コンクリートの強度を調査する必要がありますが、その際に、臨時費用が非常に有効になります。

例えば、共用部分の火災による損害が3000万円だった場合、コンクリートの強度調査費用が300万円から600万円位かかった事故例がありました。

上記損害が3000万円の場合、臨時費用は加入方法によって、臨時費用不担保、10%のとき300万円、30%のとき900万円、それぞれ支払われます。費用をすべて含めて20%で600万円支払われる保険会社もあります。

したがって、保険を選ぶ際に臨時費用が何%支払われるか、は、重要な選択肢になります。なお、お支払いについては限度額がございます。

また「修理付帯費用」
火災等のときは緊急を要するため、仮設事務所等、現場経費等が一般的に非常に割高になります。その時に修理付帯費用でまかなうことができます。(保険会社によっては「災害緊急費用保険金」等、名称が異なる場合があります)
修理範囲を特定するための費用として、躯体の強度調査費用としてもこの特約が有効です。

また「残存物取片付け費用」
これは、使い物にならなくなった燃えたものや汚れたものを処理するには非常にお金がかかるため、損害保険金相当額の10%以内の実費が支払われるこの特約が非常に重要です。(保険会社によって異なります。詳しくはお問い合わせ下さい)

また「災害緊急費用」
これがついている保険会社の保険は、臨時費用、修理付帯費用、等が非常に小額なので、これをつけておかないと、コンクリートの劣化調査費用などが捻出できない可能性があります。(保険会社によって異なります。詳しくはお問い合わせ下さい)

 危険の割合が少ないものは補償を外せるものが増えてきています。このため、補償を見直せば保険料が節約できる可能性があります。


▶️水災

マンション

マンションの共有部分はコンクリートでできているので、たとえ床上浸水があったとしても、共有部分に対する損害はまれです。たとえマンションが地盤の低いところにあっても、共有部分の損害はまれです。保険会社によって水災の補償範囲が異なる場合があります。事故対応に豊富な経験のある弊社にお問い合わせ下さい。

マンションの機械式駐車場が地下にあって浸水した場合はどうなる?

この場合は、そのマンションの駐車場だけが水浸しになったケースと、マンションのまわり一帯が水没したケースとに分けて考えます。

そのマンションの駐車場だけが水浸しになった場合は、管理組合の管理の不十分で排水施設の不良や点検・整備の不備があったためと考えられます。つまり、マンション管理組合の賠償責任が問われるケースのため、施設賠償責任保険で対応が可能です。

一方、マンションのまわり一帯が水没した場合は、管理組合の管理責任は問われないケースのため、施設賠償責任保険では補償されず、各個人の車両保険で対応することになります。(車両保険では、水災も補償の対象となります)

場所状態
機械式駐車場同じようなマンションがかなり広い範囲で水浸しになった。

自然災害

水災不担保のとき対象外

地下駐車場が水没した場合の取扱は水災の対象

同じような駐車場は問題なし。そこの場所だけが水浸しになった。

管理組合所有者責任あり

(施設賠責対象)

戸室床上浸水(周り一帯)

自然災害

水災不担保のとき対象外

その部屋だけ水浸し(雨水の浸入)

原因:

①枯葉での雨水管詰まり

②地下雨水管が木の根の侵入により詰まり

③防水表面の剥がれによる雨水管の詰まり

④雨水管の構造に問題

管理組合所有者責任あり

(施設賠責対象)

▶️給排水設備の事故などによる水漏れ

給排水設備の事故などによる水漏れ

共有部分が原因で、共有部分に損害が出た場合、水濡れ補償の対象となりますが、共有部分のうち躯体や階段などコンクリート部分が濡れても乾けば元通りになるため水濡れ損害は起こりません。

つまり、共有部分のうち集会室、管理人事務室のみが水漏れ損害の起こる可能性があります。最近では思いがけない水漏れ事故が増えてきました。

損害額と保険料の比較になります。(専有部分からの原因で集会室が水濡れ損害を受けた場合は、個人の賠償責任となります)

▶️建物付属設備の電気的・機械的事故

ショートして火が出た場合は火災事故となるため、この補償を付けるかどうかは検討が必要です。雷で過電流が流れてショートして(火災にはならず)器具が壊れた場合は、落雷事故で保険対象となります。

雷以外で過電流が流れてショートして、火災にはならず器具が壊れた場合が、この補償の対象ですが、最近では過電流の事故が時たま見受けられます。
この部分に保険が必要かどうか、ご相談下さい。

また、エレベーターのワイヤーが切れた場合には、その他偶然な事故による破損として対応することになります。想定できないようなさまざまな事故に対して万全の備えをされたい場合など、弊社にご相談下さい。

▶️ドアロック交換費用

ドアロック交換費用

この補償を外せない保険会社もあります。この部分の補償が必要かどうかを検討する際には、弊社にご相談下さい。

▶️失火見舞金費用

失火見舞金費用

戸建て住宅が密集したところにあるマンションには付けた方がいいが、広々としたマンション群であれば検討の必要があります。
なぜなら、一部屋燃えても類焼しにくいため、また、第3者の建物に損害を与える可能性が非常に少ないためです。

▶️地震火災費用

地震火災費用

地震による火災によって建物共用部分の50%以上燃えた場合に地震火災費用保険金が払われますが、マンションの場合50%以上燃える可能性は非常に少ないと思われます。

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